発信は、文章力よりも「仕組み」の問題なのかもしれません

メンバーとの出会いも、仕事のご依頼も、ありがたいことに「投稿を見ていました」から始まることが少なくありません。だからこそ... SNS投稿を軽くは扱えないのだと思います。

私はこれまで、多くの経営者やビジネスパーソンの発信をご支援してきました。その中でよく感じるのは、どれだけ考えているかと、発信量は必ずしも比例しないということです。

とても深い考えや、素晴らしいビジョンを持ちながら、それをほとんど外に出してこなかった方にお会いすることがあります。一方で、忙しい中でも発信を続けている方もいます。

その違いは、発信を「個人の努力」として捉えているか、「仕組み」として捉えているかにもあるのかもしれません。私たちは、営業やチームづくり、日々の業務については、自然と仕組み化を考えます。けれど発信だけは、なぜか「自分で時間を作って、自分で書くもの」と考えがちです。

もちろん、自分の言葉であることは大切です。ただ、自分ひとりで書くことと、自分の言葉であることは、少し違うのかもしれません。

社内でチームを作って取り組んだり、外部の専門家に依頼したり、ツールを利用したり。そうした外部の力を借りながら、自分の中にある考えを、発信媒体に合わせた形で少しずつ言語化していく。この選択と設計が、その方らしさなのかなと思います。

ここでいう仕組みとは、単に投稿を管理することではなく、日々の出来事や考えを拾い上げ、言葉にしていく流れのことです。会社の中には、外からは見えていない「選ばれる理由」がたくさん眠っています。

お客様への小さな配慮。メンバーの何気ない一言。事業の傍らで続けている社会的な活動。会議の中で自然に出てくる、その会社らしい判断基準。そうした出来事は、近くにいる人には伝わっていても、言葉として残っていなければ、未来のメンバーにも、お客様にも、パートナーにも届きにくいものです。

日々の小さな出来事が、その会社らしさを静かに伝えてくれることがあります。その積み重ねが、誰かが迷ったときの小さな決め手になることもあるのではないかと思います。

では、それらは、どのように言葉になっていくのでしょうか。一人で書くとき、誰かに問いかけられながら話すとき、AIを使って整理するときでは、同じ考えでも形になる言葉が少しずつ変わります。私は、関わる相手や使っているツールによって、形になる言葉は変わると考えています。

発信したいけれど忙しくて続かないとき、まず見直すべきは文章力ではなく、思考を外に出す仕組みなのかもしれません。